ダージリン図鑑No.21 マカイバリ茶園 最終更新日2021/7/11
- 2021/05/29
- 21:00
マカイバリ(Makaibari)
茶園評価:A
マカイバリは標高1100~1500m程度に位置する茶園。キャッスルトンと双璧をなし、一般的に最も格式のある茶園を挙げるなら恐らくマカイバリとなる。
マカイバリ茶園の代名詞はバイオダイナミック農法。どこの茶産地でもそうだが、農薬や化学肥料を使い過ぎると土地がやせていってしまう……それを改善するためにダージリンの中でもいち早く農法を転換し、以降自然と人の調和を最も重視する茶作りをしているSDGsの鏡のような存在。
キーパーソンは4代目園主であったS.K.バナジー(ラジャ・バナジー)氏。
彼が茶園を継いだ1970年にバイオダイナミック農法に転換し、それを支えるための手厚い労働者とその家族を援助するシステムを構築。また、誇張ではなくガチの貴族階級であるバナジー氏が現場の最前線で働くために、働き手のモチベーションアップがあったのも大きい。
その結果、ティーオークションでトップの価格で取引されていたキャッスルトンを抜き去り、2014年には更に記録を更新。今も破られていないという伝説的な存在となった。また、2015年にはエリザベス女王への献上茶としても扱われ、名実共にダージリンのトップと言える。
2019年までは文句なしのSランク。
が、2019年にバナジー氏が退職したため、最近雲行きが怪しい……。
マカイバリ茶園はハッキリとした商品区分がされているのが特徴的。お茶は全てマカイバリ・ジャパンを通して流通しているため、明確な整理がされている。逆に言えば完全に確立してしまっていて、他の茶園のように同一シーズンで同レベルのロット間での飲み比べというものは不可能。グレードによる選択肢しかないというのはある意味では弱点といえる。
質・価格で大きく4つに分類でき、
量販店などでブレンドティーバッグなどで使われるローグレード、
茶園物として最低限のレベルであるクラシック、ビンテージといったミドルグレード、
ハイグレードといえるシルバーティップス、クリスタルフラッシュ、
最上位のスペシャルティーであるシルバーニードルズ
となる。
使用品種はほとんど中国種なので、ミドルグレードまでは一般的なダージリンの茶園と変わらないキャラクター。
しかし、ハイグレード以上になると手もみになるため、年・シーズンごとに全く異なるものに仕上がるので飲んでみるまで分からない。
クリスタルフラッシュは一貫してニルギリのウィンターフロストのような雰囲気を持っている。
2019年までのシルバーティップスは白茶のようなピオニー系の香りを強く放ち、シーズン問わず非常に複雑なフローラルのキャラクター。ボディーの強さはそこそこレベルだが、チャイナらしく味の主張が強く非常に美味しい。チャイナでマスカテルには目もくれず、クローナルダージリンのスペシャルティーのようなお茶を作るという芸当はここにしかできず、正真正銘のスペシャリテと言える。
2020年以降和紅茶のようになって迷走気味である。が、どうもシルバーニードルズとして扱われるようになった様子。
旧シルバーニードルズはそのまま中国茶の銀針のような存在だが、2021年以降どうなるかは不明。
圧倒的な独自の茶作りをしているが、旧シルバーティップスの実質的な値上げが痛い。
2021年にはシルバーティップスがほぼミドルクラスのまで落ちてきたので、高品質なお茶が飲みたければシルバーニードルズしかなく、商品選択の自由度が更に下がったというのも辛いところ。
現状、ジュンパナ茶園やナムリン茶園のように、特定の商品だけはずば抜けて優れているタイプの茶園と言える。
マカイバリ・ジャパン ダージリン2021FF マカイバリ茶園Silver Tips
価格:2916円/50g
評価:★3
台湾やセイロンに近い香味。汎用ロットという印象が否めない。
マカイバリ・ジャパン ダージリン2020SF マカイバリ茶園Silver Needles
価格:4212円/20g
評価:★8
ニードルズだが、キャラクターは完全に旧シルバーティップス。質はとても高い。
マカイバリ・ジャパン ダージリン2021FF マカイバリ茶園Vintage 初摘みDJ-1
価格:2916円/80g
評価:★5
ボタニカルかつフルーティーな香りは良いが、味が今一つ。
マカイバリ・ジャパン ダージリン2021 マカイバリ茶園クリスタルフラッシュ
価格:3780円/50g
評価:★6
爽快感のあるニルギリのような飲み心地。
マカイバリ・ジャパン ダージリン2021 マカイバリ茶園 ダージリン烏龍茶
価格:1944円/100g
評価:★6
チャイナのウーロン。ウーロン茶というより、一般的なグリニッシュなファーストフラッシュ紅茶という印象。コストパフォーマンスは良い。
茶園評価:A
マカイバリは標高1100~1500m程度に位置する茶園。キャッスルトンと双璧をなし、一般的に最も格式のある茶園を挙げるなら恐らくマカイバリとなる。
マカイバリ茶園の代名詞はバイオダイナミック農法。どこの茶産地でもそうだが、農薬や化学肥料を使い過ぎると土地がやせていってしまう……それを改善するためにダージリンの中でもいち早く農法を転換し、以降自然と人の調和を最も重視する茶作りをしているSDGsの鏡のような存在。
キーパーソンは4代目園主であったS.K.バナジー(ラジャ・バナジー)氏。
彼が茶園を継いだ1970年にバイオダイナミック農法に転換し、それを支えるための手厚い労働者とその家族を援助するシステムを構築。また、誇張ではなくガチの貴族階級であるバナジー氏が現場の最前線で働くために、働き手のモチベーションアップがあったのも大きい。
その結果、ティーオークションでトップの価格で取引されていたキャッスルトンを抜き去り、2014年には更に記録を更新。今も破られていないという伝説的な存在となった。また、2015年にはエリザベス女王への献上茶としても扱われ、名実共にダージリンのトップと言える。
2019年までは文句なしのSランク。
が、2019年にバナジー氏が退職したため、最近雲行きが怪しい……。
マカイバリ茶園はハッキリとした商品区分がされているのが特徴的。お茶は全てマカイバリ・ジャパンを通して流通しているため、明確な整理がされている。逆に言えば完全に確立してしまっていて、他の茶園のように同一シーズンで同レベルのロット間での飲み比べというものは不可能。グレードによる選択肢しかないというのはある意味では弱点といえる。
質・価格で大きく4つに分類でき、
量販店などでブレンドティーバッグなどで使われるローグレード、
茶園物として最低限のレベルであるクラシック、ビンテージといったミドルグレード、
ハイグレードといえるシルバーティップス、クリスタルフラッシュ、
最上位のスペシャルティーであるシルバーニードルズ
となる。
使用品種はほとんど中国種なので、ミドルグレードまでは一般的なダージリンの茶園と変わらないキャラクター。
しかし、ハイグレード以上になると手もみになるため、年・シーズンごとに全く異なるものに仕上がるので飲んでみるまで分からない。
クリスタルフラッシュは一貫してニルギリのウィンターフロストのような雰囲気を持っている。
2019年までのシルバーティップスは白茶のようなピオニー系の香りを強く放ち、シーズン問わず非常に複雑なフローラルのキャラクター。ボディーの強さはそこそこレベルだが、チャイナらしく味の主張が強く非常に美味しい。チャイナでマスカテルには目もくれず、クローナルダージリンのスペシャルティーのようなお茶を作るという芸当はここにしかできず、正真正銘のスペシャリテと言える。
2020年以降和紅茶のようになって迷走気味である。が、どうもシルバーニードルズとして扱われるようになった様子。
旧シルバーニードルズはそのまま中国茶の銀針のような存在だが、2021年以降どうなるかは不明。
圧倒的な独自の茶作りをしているが、旧シルバーティップスの実質的な値上げが痛い。
2021年にはシルバーティップスがほぼミドルクラスのまで落ちてきたので、高品質なお茶が飲みたければシルバーニードルズしかなく、商品選択の自由度が更に下がったというのも辛いところ。
現状、ジュンパナ茶園やナムリン茶園のように、特定の商品だけはずば抜けて優れているタイプの茶園と言える。
マカイバリ・ジャパン ダージリン2021FF マカイバリ茶園Silver Tips
価格:2916円/50g
評価:★3
台湾やセイロンに近い香味。汎用ロットという印象が否めない。
マカイバリ・ジャパン ダージリン2020SF マカイバリ茶園Silver Needles
価格:4212円/20g
評価:★8
ニードルズだが、キャラクターは完全に旧シルバーティップス。質はとても高い。
マカイバリ・ジャパン ダージリン2021FF マカイバリ茶園Vintage 初摘みDJ-1
価格:2916円/80g
評価:★5
ボタニカルかつフルーティーな香りは良いが、味が今一つ。
マカイバリ・ジャパン ダージリン2021 マカイバリ茶園クリスタルフラッシュ
価格:3780円/50g
評価:★6
爽快感のあるニルギリのような飲み心地。
マカイバリ・ジャパン ダージリン2021 マカイバリ茶園 ダージリン烏龍茶
価格:1944円/100g
評価:★6
チャイナのウーロン。ウーロン茶というより、一般的なグリニッシュなファーストフラッシュ紅茶という印象。コストパフォーマンスは良い。
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